え》の上へ、宜《よ》し/\そりゃ来た水を、水だよ、湯灌をするのに水が汲んでねえのか、仕様がねえなア、早く水を持って来《き》ねえ」
と云うから新吉はブル/\慄《ふる》えながら二つの手桶を提《さ》げて井戸端へ行《ゆ》く。
甚「旦那お手伝でげすよ」
と抱上げて見ると、仏様の首がガックリ垂れると、何《ど》う云うものか惣右衞門の鼻からタラ/\と鼻血が流れました。
甚「おや血が出た、身寄か親類が来ると血が出るというが己は身寄親類でもねえが、何うして血が出るか、おゝ恐ろしく片方《かたっぽ》から出るなア」
と仰向にして仏様の首を見ると、時|過《た》ったから前よりは判然《はっきり》と黒ずんだ紫色に細引の痕《あと》が二本有るから、甚藏はジーッと暫く見て居る処へ手桶を提げて新吉がヒョロ/\遣って来て、
新「兄い水を持って来たよ」
甚「水を持って来たか此方《こっち》へ入れて戸を締めなよ」
新「な何《なん》だ」
甚「此処《こけ》へ来て見やア、仏様の顔を見やア」
新「見たって仕様がねえ」
甚「見やア此の鼻血をよ」
新「いけねえなア、其様《そん》なものを見たって仕様がねえ、悪《わり》い悪戯《
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