ちゅうになって気ちがいじみる」

        四十五

 累「はい、たじれ[#「たじれ」に傍点]たか知りません、私は何《ど》うなっても宜しゅうございますが、貴方の児《こ》だから殺すとも[#「殺すとも」は底本では「殺とすも」]何共《どうとも》勝手になさいだが、表向には出来ませんから、此の坊やアだけは今晩|夜《よ》が明けないうち法蔵寺様へでも願って埋葬《ともらい》を致したいと存じます、誰も宅《うち》へ参り人《て》はなし、私が此の病人では何う致す事も出来ませんから、何卒《どうぞ》一寸お帰りなすって、お埋葬《とむらい》だけをなすって、然《そ》うして又|此方《こちら》へ遊びに入らしって下さい、お賤さん、私が申しますと宅《やど》が立腹致しますから、何卒《どうか》あなたから、今夜だけ帰って子供の始末を付けてやれと仰しゃって」
 賤「はい、お帰りよ新吉さんよう」
 新「帰《けえ》れたって夜中に仕様がねえ」
 賤「夜中だって用があって迎いに来たのだからお帰りよ、旨く云って居ても本木《もとき》に優《まさ》る梢木《うらき》は無いという事だからねえ、お内儀《かみさん》に迎いに来られゝば心持が宜《い》いねえ
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