しに致しまするようなものと、つい此の小僧に心が引かされて、お兄様やお母様に不孝を致します、せめて此の與之助が四歳《よっつ》か五歳《いつゝ》に成ります迄|何卒《どうぞ》お待ち遊ばして」
三「其様《そん》な分らぬ事を云っては困りますよ、お前|何《ど》うも、四歳か五歳になる迄お前の身体が保《も》ちゃアしませんよ、能く考えて御覧、子を捨てる藪はあるが身を捨てる藪はないと云う譬《たとえ》の通りだ、置いて行《い》けと云うなら置いて行って御覧、乳はなし、困るからやっぱりお前の方へ帰って来るよ、エヽ、私の云う事を聴かれませんか、是程に訳を云ってもお前は聴かれませんかえ、悪魔が魅入ったのだ、お前そんな心ではなかったが情《なさけ》ない了簡だ、私はもう二度と再び来ません、思えばお前は馬鹿になって了《しま》ったのだ、呆れます」
と腹が立つのでは有りませんが、妹《いもと》が可愛い紛れに荒い意見をいうと、お累は取詰めて来まして癪《しゃく》を起し、
累「ウーン」
と虚空を掴んで横にぱったり倒れましたから、三藏は驚きまして、
三「エヽ困ったなア、少し小言を云うと癪を起すような小さい心でありながら、何《ど》う
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