《わらいがお》を見て私も死度《しにと》うございます、何卒お護《まも》りなすって下さいまし、と神様や仏様に無理な願掛《がんがけ》をなさるも、お前が可愛いからで、親の心子知らずと云うのはお前の事で、さア今日は新吉とフッヽリ縁を切ります諦めますとお前が云えば、彼様な奴だから三十両か四十両の端金《はしたがね》で手を切って、お前を家《うち》へ連れて行って、身体さえ丈夫になれば立派な処へ縁附ける、左《さ》も無ければ別家《べっけ》をしても宜《い》い、彼奴《あいつ》に面当《つらあて》だからな、えゝ、今日は諦めますと云わなければなりませんよ、さア諦めたと云いなさい、えゝ、おい、云えないかえ、今日諦めなければ私はもう二度と再び顔は見ません、もう決して足踏《あしぶみ》は致しません、もう兄妹の是が別れだ、外《ほか》に兄弟があるじゃアなし、お前と私ばかり、お前亭主を持たないうち何《なん》と云った、私が他《わき》へ縁付きましても、子というは兄《あに》さんと私ぎりだから、二人でお母様に孝行しようと云ったじゃアないか、して見れば親の有難い事も知っているだろう、さア、お前の身が大事だからいうのだよ、返答が出来ませんかよ
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