にでも乗せて田舎へ連れて行って、暢気《のんき》な処へ隠居さしてえと思うのだ、随分寿命も延々《のび/″\》するから彼方《あっち》へお引込《ひっこ》みよう」
 勘「独身《ひとりみ》で煙草を刻《きざ》んで居るも、骨が折れてもう出来ねえ、アヽ、お前《めえ》嫁に子供《あかんぼう》が出来たてえが、男か女か」
 新「何《なん》だか知れねえ是から生れるのだ」
 勘「初めては女の児《こ》が宜い、お前《めえ》の顔を見たら形見《かたみ》を遣《や》ろうと思ってねえ、己《おれ》は枕元へ出したり引込《ひっこ》ましたりして、他人《ひと》に見られねえ様に布団の間へ※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2−13−28]込《さしこ》んだり、種々《いろ/\》な事をして見付からねえように、懐で手拭で包《くる》んだりして居た」
 新「まだ/\大丈夫だよ伯父さん、だけれども形見は生きているうち貰って置く方が宜い、形見だって何をお前がくれるのだか知れねえが、何《なん》だい、大事にして持つよ」
 勘「是を見てくんねえ」
 と布団の間から漸《ようや》く引摺出《ひきずりだ》したは汚れた風呂敷包。
 勘「これだ」
 新「
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