る》へしなせえってコウ引立《ひきた》って居てズンと下《おろ》すから、虎子で臀《しり》を打《ぶ》つので痛《いて》えやな、あゝ人情がねえからな」
新「其様な事を云うもんじゃアねえ、何《なん》でもお前の好きな物を食べるが宜《い》い」
勘「有難《ありがて》え、もうねえ、新吉が来たから長屋の衆は帰《けえ》ってくれ」
新「其様な事を云うもんじゃアねえ」
長屋の者「じゃア、マア新吉さんが来たからお暇致します、左様なら」
新「左様ですか、何《ど》うも有難うございます、お金さん有難うお婆さん有難う、ヘエ大丈夫で、又何うか願います、ヘエ、なにお締めなさらんでも宜《よろ》しゅう、伯父さん長屋の人がねエ、親切にしてくれるのに、彼様《あん》な事を云うと心持を悪くするといかねえよ」
勘「ナアニ心持を悪くしたって構うものか、己《おら》の頑固《いっこく》は知って居るしなあ、能《よ》く来た、一昨日《おとゝい》から逢いたくって/\堪《たま》らねえ、何卒《どうぞ》して逢いてえと思って、もう逢えば死んでも宜《い》いやア、もう死んでも宜い」
新「其様な事を云わずに確《しっ》かりして、よう、もう一遍丈夫になって駕籠
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