ざいます。
 新「伯父さん/\」
 勘「あい」
 新「私だよ」
 男「勘藏さん、新吉さんが来たよ」
 勘「有難《ありがて》え/\、あゝ待って居た、能《よ》く来た」
 新「伯父さんもう大丈夫だよ、大きに遅くなったがお長屋の方が親切に手紙を遣《よこ》して下すったから取敢《とりあえ》ず来たがねえ、もう私が来たから案じずに、お前気丈夫にしなければならねえ、もう一遍丈夫に成ってお前に楽をさせなければ済まないよ」
 勘「能く来た、病気はそう呼びに遣《や》る程悪いんじゃアねえが、年が年だから何卒《どうぞ》呼んでおくんなせえと云うと、呼んじゃア悪かろうの何《なん》だの彼《か》だのと云って、評議の方が長《なげ》えのよ、長屋の奴等ア気が利かねえ」
 新「これサ、其様《そん》な事を云うもんじゃアねえ、お長屋の衆も親切にして下すって、遠くの親類より近くの他人だ、お長屋の衆で助かったに、其様な事を云うもんじゃアねえ」

        三十四

 勘「お前はそう云うが、ただ枕元で喋るばかりで些《ちっ》とも手が届かねえ、奥の肥《ふと》ったお金《きん》さんと云うかみさんは、己《おれ》を引立《ひった》って、虎子《おま
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