改心致しました、と申すのは、熟々《つく/″\》考えれば唯《たゞ》不思議な事で、十月からは蛇が穴に入《い》ると云うに、十一月に成って大きな蛇が出たり、又先頃墓場で見た時、身の毛立つ程驚いたのも、是は皆心の迷《まよい》で有ったか、あゝ見えたのは怖い/\と思う私が気から引出したのか、お累も見たと云い殊《こと》に此の家《うち》は累が淵で手に掛けたお久の縁合《えんあい》、其の家へ養子に来ると云うは、如何《いか》なる深き因縁の、今まで数々罪を作った此の新吉、是からは改心して、此家《こゝ》を出れば外《ほか》に身寄|便《たより》も無い身の上、お累が彼様《あん》な怪我をすると云うのも皆《みんな》私故、これは女房お累を可愛がり、三藏親子に孝行を尽したならば、是までの罪も消えるであろうと云うので、新吉は薩張《さっぱり》と改心致しました。それからは誠に親切に致すから、三藏も、
 三「新吉は感心な男だ、年のいかんに似合わぬ、何《なん》にしろ夫婦中さえ宜《よ》ければ何より安心、殊に片輪のお累を能《よ》く目を掛けて愛してくれる」
 と、家内は睦《むつま》しく、翌年になりますと、八月が産月《うみづき》と云うのでござい
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