外は縁側で、茅葺《かやぶき》屋根の裏に弁慶と云うものが釣ってある。それへずぶりと斜《はす》に※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2−13−28]《さ》して有るは草苅鎌、甚藏が二十両に売付けた鎌を與助と云う下男が磨澄《とぎすま》して、弁慶へ※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2−13−28]して置いたので、其の鎌の処へ、屋根裏を伝わって来た蛇が纏《まと》い付き、二三度|搦《から》まりました、すると不思議なのは蛇がポツリと二つに切れて、縁側へ落ると、蛇の頭は胴から切れたなりに、床《とこ》の処へ這入って来た時は、お累は驚きまして、
累「アレ蛇が」
と云う。新吉もぞっとする程身の毛立ったから、煙管《きせる》を持って蛇の頭《かしら》を無暗《むやみ》に撲《う》つと、蛇の形は見えずなりました。怖い紛《まぎ》れにお累は新吉に縋《すが》り付く、その手を取って新枕《にいまくら》、悪縁とは云いながら、たった一晩でお累が身重になります。これが怪談の始《はじめ》でございます。
三十三
新吉とお累は悪縁でございますが、夫婦になりましてからは、新吉が
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