嫌いなので、ド、何《ど》んな顔に」
累「はい此の間火傷を致しましてね」
と恥かしそうに行燈《あんどう》の処へ顔を出すのを、新吉が熟々《つく/″\》見ると、此の間法蔵寺で見たとは大違い、半面火傷の傷、額《ひたえ》から頬へ片鬢《かたびん》抜上《ぬけあが》りまして相が変ったのだから、あっと新吉は身の毛立ちました。
新「何《ど》うして、お前まア恐ろしい怪我をして、エヽ、なに何《なん》だか判然《はっきり》と云わなければ、もっと傍へ来て、え、囲炉裡《いろり》へ落ちて、何うも火傷するたって、何うも恐ろしい怪我じゃアないか、まアえゝ」
と云いながら新吉は熟々と考えて見れば、累が淵で殺したお久の為には、伯母に当るお累の処へ私が、養子に来る事になり、此の間まで美くしい娘が、急に私と縁組をする時になり、此様《こん》な顔形《かおかたち》になると云うのも、やっぱり豐志賀が祟《たゝ》り性《しょう》を引いて、飽くまでも己《おれ》を怨《うら》む事か、アヽ飛んだ処へ縁付いて来た、と新吉が思いますると、途端に、ざら/\と云う、屋根裏で厭《いや》な音が致しますから、ヒョイと見ると、縁側の障子が明いて居ります、と其の
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