付けて貰えるからよ、然《そ》うして仕度《したく》して行かなければならねえ、借金が有ると云え、エヽおい」
新「ヘエ、成程、ヘエ/\成程、それは気が付きませんでした、成程是は、随分借金は有るので、是で中々有るので」
甚「有るなれば有ると云え、よう幾らある」
新「左様五両ばかり」
甚「カラ何《ど》うも云う事は子供でげすねえ、幾らア五拾両、けれども、エヽと、二拾両ばかり私《わっち》が目の出た時|返《けえ》して、三拾両あります」
作「ほう、三拾両、巨《でけ》えなア、まア相談ぶって見ましょう」
とこれから帰って話をすると、
三「相手が甚藏だから其の位の事は云うに違いない、宜《よろ》しい、其の代り、土手の甚藏が親類のような気になって出這入《ではいり》されては困るから、甚藏とは縁切《えんきり》で貰おう」
と云い、甚藏は縁切でも何《なん》でも金さえ取ればいゝ、と話が付き、先《ま》ず作右衞門が媒妁人《なこうど》で、十一月三日に婚礼致しました。田舎では妙なもので、婚礼の時は餅を搗《つ》く、村方の者は皆来て手伝をいたします。媒妁人が三々九度の盃をさして、それから、村で年重《としかさ》な婆《ば》
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