為《し》たいとか内儀《かみさん》になりてえとか云う訳で、心に思っても兄《あに》さまが堅《かて》えから八釜《やかま》しい事云うので、処から段々胸へ詰って、飯《まゝ》も食べずに泣いてばかり居るから、医者どんも見放し、大切《だいじ》の一人娘だから金えぶっ積んでも好いた男なら貰って遣《や》りてえが、他《ほか》の者では頼まれねえが、作右衞門どん行ってくれと云う訳で、己《おれ》が媒妁人役《なこうどやく》しなければなんねえてえ訳で来ただ」
 甚「そんなら早くそう云ってくれゝば宜《い》いに、胆《きも》を潰《つぶ》した、私《わっち》は柿でも盗んだかと思って、そうか、それは有難《ありがて》え、じゃア何《なん》だね、妹娘が思い染めて恋煩《こいわずら》いで、医者も見放すくれえで、何《ど》うでも聟《むこ》に貰おうと云うのかね、是は有難え、新吉出や、ア此処《こゝ》へ出ろ、ごうぎな事をしやアがった、此処へ来や、旦那是は私の弟分《おとゝぶん》で新吉てえます、是は作右衞門さんと云うお方でな、名主様から三番目に坐る方だ、此の方に頭を押えられちゃア村に居憎《いにく》いやア、旦那に親眤《ちかづき》になって置きねえ」
 新「ヘ
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