様で傘借りて帰《けえ》って来ただ」
 三「汝《てめえ》なぜ隠す」
 せな「隠すにも隠さねえにも知んねえノ」
 三「主人に物を隠すような者は奉公さしては置きません、なぜ隠す、云いなよ」
 せな「隠しも何《ど》うもしねえ、知んねえのに無理な事を云って、知って居れば知って居るって云うが、知んねえから知んねえと云うんだ」
 三「コレ段々お累を責めて聞くに、実は兄様《にいさん》済まないが是々と云うから、なぜ早く云わんのだ、年頃で当然《あたりまえ》の事だ、と云って残らず打明けて己に話した、其の時はおせなが一緒に行って斯《こ》う/\と残らず話した、お累が云うのに汝《てめえ》は隠して居る、汝はなぜ然《そ》うだ、幼《ちいさ》い中《うち》から面倒を見て遣《や》ったのに」
 せな「アレまア、何《なん》て云うたろうか、よウお累様ア云ったか」
 三「皆《みん》な云った」
 せな「アレまア、汝《われ》せえ云わなければ知れる気遣《きづけ》えねえから云うじゃアねえよと、己《おら》を口止《くちどめ》して、自分からおッ饒舌《ちゃべ》るって、何《なん》てえこった」
 三「皆《みん》ないいな、有体《ありてい》に云いナ」
 せ
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