前お母《っか》さんに斯《こ》う心配《しんぱい》を掛けて、お母様《っかさん》がお食を勧めるのにお前は何故|喫《た》べない、段々疲れるよ、詰らん事をくよ/\してはいけませんよ、お前と私と是れから只《たっ》た一人のお母様だから孝行を尽さなければならないのに、お前がお母様に心配を掛けちゃア孝行に成りません、顔は何様《どん》なに成ったって構わぬ、それならば片輪女には亭主がないと云うものでも有るまい、何様な跛《びっこ》でもてんぼう[#「てんぼう」に傍点]でも皆《みん》な亭主を持って居ります、えゝ火傷したくらいで気落《きおち》して、お飯《まんま》も喫べられないなんて、気落してはなりません、お母様が勧めるからお食《あが》りなさい、喫べられないなんて其様《そん》な事はありませんよ」
母「喫べなせえヨウ、久右衞門《きゅうえもん》どんが、是なれば宜《よ》かろうって水街道へ行って生魚《なまうお》を買って来たゞ、随分旨い物《もん》だ常《ふだん》なら食べるだけれど、やア食えよウ」
三「お喫《あが》りなさい何《ど》う云う様子だ、容体《ようだい》を云いなさい、えゝ、何か云うとお前は下を向いてホロ/\泣いてばかり居
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