ち》っけえ時から内気だから、ハア、泣《なく》ことばかりで何《ど》うしべえと思ってよ」
 三「困りますね私も心配するなと云い聞《きか》せて置きますが、何《ど》う云うものか彼処《あすこ》へ引籠った切《ぎ》りで、気が霽《は》れぬから庭でも見たら宜《よ》かろうと云うと、彼処は薄暗くって病気に宜うございますからと云いますが詰らん事を気に病むから何うも困ります」
 と話をして居ります。折から、お累は次の間の処へ参りましたから、
 母「おゝ此方《こっち》へ出ろとよう、出な」
 三「あ、漸《やっ》と出て来た」
 母「此方へ来てナ、畑の花でも見て居たら些《ちっ》たア気が霽《は》れようと、今|兄《あにき》どんと相談して居たゞ、えゝ、さア此処《こゝ》へ坐ってヨウ、よく出て来《き》いッけナ、心配《しんぺえ》してはいけぬ、気を晴らさなければいかねえヨウ、兄どんの云うのにも、火傷しても火の中へ坐燻《つっくば》ったではねえ、湯気だから段々|癒《なお》るとよ、少しぐれえ薄く痕《あと》が付くべえけれども、平常《いつも》の白粉《おしろい》を着ければ知れねえ様になり段々薄くなるから心配《しんぺえ》しねえがえゝよ」
 三「お
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