瞞《だま》して銭を借《かり》る事は上手だが、大《で》けえ声では云えねえが、此処《こゝ》な甚藏は蝮野郎《まむしやろう》でよくねえ怖《おっ》かねえ野郎でのう」
 太「今日は大分《だいぶ》婆《ば》ア様が通るが何処《どこ》へ行くだ」
 農夫「三藏どんの処《とこ》で法事があるで、此間《こねえだ》此処《こゝ》に女が殺されて川へ投《ほう》り込まれて有って、引揚げて見たら、守《まもり》の中に名前書《なめえがき》が這入《へえ》って居たので、段々調べたら三藏どんが家《うち》の姪《めい》に当る女子《おんなこ》で、母様《かゝさま》が継母《まゝはゝ》で、苛《いじ》められて居られなくって尋ねて来ただが、些《ちっ》とは小遣《こづかい》も持って居ただが、泥坊が附いて来て突落《つきおと》して逃げたと云う訳で、三藏どんは親切な人で、引揚げて届ける所へ届けて、漸《ようや》く事済んで、葬りも済んで、今日は七日《なぬか》でお寺様へ婆ア様達を聘《ほじ》って御馳走するてえので、久し振で米の飯が食えると云って悦んで往《い》きやしッけ、法蔵寺《ほうぞうじ》様へ葬りに成っただ」
 太「然《そ》うか、それで婆ア様ア悦んで行くのだ、久しく尋
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