するから宜《い》いが、暗くって怖くって些《ちっ》とも歩けやしません」
 新「サ此方《こっち》だよ」
 久「はい」
 と下りようとすると、土手の上からツル/\と滑って、お久が膝を突くと、
 久「ア痛タヽヽ」
 新「何《ど》うした」
 久「新吉さん、今石の上か何かへ膝を突いて痛いから早く見ておくんなさいよ」
 新「どう/″\、おゝ/\大層血が出る、何《ど》うしたんだ、何《なん》の上へ転んだ、石かえ」
 と手を遣《や》ると草苅鎌。田舎では、草苅に小さい子や何かゞ秣《まぐさ》を苅りに出て、帰り掛《がけ》に草の中へ標《しるし》に鎌を突込《つっこ》んで置いて帰り、翌日来て、其処《そこ》から其の鎌を出して草を苅る事があるもので、大かた草苅が置いて行った鎌でございましょう。お久は其の上へ転んで、ズブリ膝の下へ鎌の先が這入ったから、夥《おびたゞ》しく血が流れる。

        二十三

 新「こりゃア、困ったものですね、今お待ち手拭で縛るから」
 久「何《ど》うも痛くって耐《たま》らないこと」
 新「痛いたって真暗《まっくら》で些《ちっ》とも分らない、まアお待ち、此の手拭で縛って上げるから又一つ斯《
前へ 次へ
全520ページ中118ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング