て、何うか僕も親族の者が、遊んで居てもいけないからと云うので、今度商法をね……当節は兎角商法|流行《ばやり》で、遠州の方から葉茶《はぢゃ》を送ってくれると云うので、蠣殻町《かきがらちょう》に空家《あきや》が有ったもんだから、それを借りて漸《ようや》く葉茶屋を開店することに極りがやっとついたんで、お馴染には成ってるしするから、悪い耳と違って善《よ》い事をお聞《きか》せ申したいと思ってね………参ったが、何時もお変りございませんで、次第に月迫《げっぱく》に」
婆「まことに押詰りましてさぞお忙がしゅう……おゝそれは結構でございますねえ、大分《だいぶ》皆さんが御商法をなさいますが、仰しゃるお茶屋だの料理屋しるこ屋色々な事をしても、素人で真似をしたのは何うも長持のないもんですね、慣れない事てえものはいけませんよ、士族さん方の御商法は何うも外れ易いものでございますから、貴方も一生懸命にねえ……まア御勉強なすってお遣んなさりア宜しゅうございましょう、生憎《あいにく》美代吉は居りませんで」
三八「これは何うも暫く………先達《せんだっ》ては失敬をいたしました、今という只今貴方のお噂たら/\ヘヽヽ」
庄「い
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