あらまア一寸三八さん旦那は私の兄《あに》さんだよ、何うもまア」
ふみ「はゝア、あなたはお妹御《いもとご》あらまア」
美「私がね生れると、道楽で御勘当になったという話をお母《っか》さんが死ぬ前に私に申したんですよ、お兄《あにい》さんは家出をしてしまったッて、私が生れて間もない折ですよ、お兄さんに遇《あ》いさいすれば力に成ると思って、私は神信心《かみしんじん》して居たが………道理で、それ私のお父《とっ》さんの書いた短冊が貼って有ったら、家《うち》へ来て」
三「そう/\、そう仰しゃれば思い出した、あの時ぽろりとお泣きなすった……それからあなたの身請の相談、これは本心|放埓《ほうらつ》で、敵《かたき》を討つ所存はねえに極《きわ》まったとも云わないが、請け出しに掛った時は変だと思って居りました」
美「だからね兄《にい》さんは只可愛がりなすったのだよ、それで無くてあんなに可愛がる筈はありゃアしないね、知ってたから」
三「あの何うもその短冊が何うとか云いましたね、親が何うとかして何うとかだって………あれからお上りになって、それで身請と成ったんでしょう、だけれども間夫《まぶ》が有るなら添わして遣ると、
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