《だんな》が。家内「おや、旦那《だんな》好《よ》くお出《い》でなさいましたね、金吹町《かねふきちやう》さんまア好《よ》く入《い》らつしやいましたね、今年《ことし》は元日《ぐわんじつ》から縁起《えんぎ》が好《よ》い事ね。乙「時《とき》に昼飯《ひるめし》の支度《したく》をしてちよいと一|杯《ぱい》おくれ。家内「松源《まつげん》か伊予紋《いよもん》へ申付《まうしつけ》ます、おや御両人様《おふたりさん》からお年玉《としだま》を有難《ありがた》うございます、只今《たゞいま》直《すぐ》に、私《わたし》は元日《ぐわんじつ》からふく/\です事よ。と下《した》へ降《お》りて行《ゆ》く。乙「其《そ》の福々《ふく/\》で思ひ出したが、七|福《ふく》廻《まはり》と云《い》ふのは一|体《たい》君《きみ》は何処《どこ》へ行《ゆ》くんだ。甲「僕《ぼく》の七|福《ふく》廻《まは》りといふのは豪商紳士《がうしやうしんし》の許《もと》を廻《まは》るのさ。乙「へ、へ――何処《どこ》へ。甲「第《だい》一|番《ばん》に大黒詣《だいこくまゐり》を先《さき》にするね、当時《たうじ》豪商紳士《がうしやうしんし》で大黒様《だいこくさま
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