るときもおんなしように寝るんですもの、双児てえものア斯ういうもんでしょうか、私ゃ不思議でならないんですわ」
 晋「そうさな、己も双児を手にかけたこともなし、人から聞いたこともないから知らないよハヽヽヽヽ、赤児《あか》が寝ているこそ丁度幸いだ、今日はお前に些《ちっ》と相談することがあるがの、それも外のことじゃアない矢ッ張赤児の事に就《つい》てな、此様《こんな》事を云ったら己を薄情なものと思うだろうが、決して悪くとられちゃア困るよ、それもこれもお前の為を思うから云うのだからね」
 若「ハイ、何うしまして飛《とん》でもない心得違いから、いろ/\伯父|様《さん》に御苦労をかけ、ほんとに申し訳がないんですわ、それに私の為を思って仰しゃることを何《なん》でまア悪く思うなんッて」
 晋「イヤお前が左様《そう》思ってゝ呉れゝば己も安心というものだがの、斯《こ》う云ったら心持が悪かろうが、その赤児だッて……、あの通りな訳で生れたもので見れば、何うもお前の手で育てさせては為になるまいし、今|一時《いっとき》は可愛そうな気もしようが、却《かえ》って他人の手に育つが子供|等《ら》の為にもなろうと思われるよ、仮
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