lを雇うて沖へ乗出したところが、図らずも難風に出会い、その二人の舟人は途中に於《おい》て相果てました、一人《いちにん》の舟人が死際《しにぎわ》の懴悔話《ざんげばなし》を聞きますると、旅宿で船の世話をしてくれた商人《あきんど》も其の二人の舟人も同じ穴の貂《むじな》、やはり海賊の手下であったそうでございます、察するところ私《わたくし》の女房も同じ仲間の奴に勾引《かどわか》され、海賊船《かいぞくぶね》に取押えられて居りはせぬかと案じて居《お》る折柄、こゝに死んで居る島人が、私の漂うて居った無人島へ来《きた》りしゆえ、辛《かろ》うじて其の舟に乗込み、一度新潟沖に着《ちゃく》いたし、女房の在所《ありか》を尋ねようと思って小舟を乗出したところが、又も難船して此の始末、お救い下さいまして有難う存じます、只今|貴所方《あなたがた》より此の船は新潟|行《ゆき》と承わって、恟《びっく》りするほど喜びました、此の上の御親切に何《ど》うか私を新潟までお連れ下さいまし、此の御恩は死すとも忘れませぬ」
船「まア/\お前《めえ》さん、安心して目でも眩《まわ》すといかねえ、薬でも飲まっせえ」
文「何から何まで辱《
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