キや否や、待伏《まちぶせ》して居りました一人《いちにん》の盗賊が後棒《あとぼう》を担《かつ》ぎまして、
舁「えゝ御新造さま、旦那様は泥坊を捕《おさ》えると云って後《あと》に残っておいでなさいます、駕籠は二居の宿《しゅく》まで遣《や》って置けと仰しゃいましたぜ、さア棒組、急げ/\、少し雪がやって来たようだぜ」
と頻《しき》りに急いでまいりまする。
二十四
お町は舁夫のいうことが能《よ》く分りませぬから、
町「舁夫さん、旦那様は何《ど》う為されたと云うのです」
舁「あの、樹《き》に縛られて居た旅人の着物や金を取返してやると云って、盗人《ぬすびと》の跡を追掛《おっか》けて行かしった、もう今頃は浅貝あたりへお帰りになりましたろう、旦那の云うにゃア、奥様に斯《こ》んな物を見せちゃア悪いから、一足先へ二居までやってくれろと、こう仰しゃいました」
町「いえ/\、旦那より先へ往《ゆ》くことはなりません、どうぞ後《あと》へ返して下さい」
舁「まア折角旦那が先へやれと仰しゃってたものを、後へ帰ると泥坊が居りますよ」
町「いえ/\何が居ても構いません、後へ/\、何故そう急ぐのです、私
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