ございます。
大「さ、これへ」
芸「今日《こんにち》は」
數「いや/\大勢呼んだの」
大「さ、これへ来てお酌を、大夫様《たいふさま》から」
芸「へえ、大夫様お酌をいたしましょう」
數「いや成程これは綺麗、あい/\、成程松蔭年を老《と》っても酌はたぼと云って幾歳《いくつ》になっても婦人は見て悪くないもんだの、むゝう、中々どうも……何《なん》てえ名だなに、小玉か成程、どんずり奴《やっこ》の男がいる、あれは何だ」
幇間「えゝ手前は鳥羽屋五蝶と申します幇間《たいこ》で」
數「ほゝう、なに太鼓を叩くか」
五「いえ、只口で叩きます」
數「口で太鼓を…唇でかえ」
五「いえ、なに、太鼓持で、えへゝゝ」
數「うん成程、口軽《くちがる》なことをいう、幇間《ほうかん》か、成程聞いていた、中々面白い頭だの」
五「へゝゝ、どうも未《ま》だどんずり奴《やっこ》でございます」
數「太皷持の頭は、皆《みな》此様《こん》なかえ」
五「皆《みんな》お揃いと云う訳ではございませんが、自然と毛が薄くなりましたので」
數「いや形が変って妙だ、幇間《たいこもち》は口軽だというが、何か面白いことを云いなさい」
五「これは恐入りまし
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