」
外「これ/\何だ、何を馬鹿を申す、少々|逆上《のぼせ》て居《お》る様子、只今御酒を戴きましたので、惣衞|彼《かれ》に成代《なりかわ》ってお詫をいたします、富彌儀|太《ひど》く逆上《ぎゃくじょう》をして居《お》る様子で」
富「いゝえ私《わたくし》はお手打に成ります」
紋「おゝ手打にしてやる是へ出え」
富「いゝえお止めなすっても私《わたくし》は出る」
と大変騒々しくなって来た処へ、這入って来ましたのは秋月喜一郎という御重役で、お茶台の上へ水飴を載せてスーと這入って来ながら此の体《てい》を見て。
喜「何を遊ばすの、御病中お高声はお宜しく有りません、富彌如き者をお相手に遊ばしてお論じ遊ばすのはお宜しくない、富彌も控えよ」
富「へえ/\」
と云ったが心の中《うち》で、此の秋月は忠義な者と思ったから。
富「何分宜しく、併《しか》し水飴はお止《とゞ》め申します」
紋「えゝ喜一郎、今日《きょう》は富彌の罪は免《ゆる》さんぞ、幼年の折から側近くいて世話致しくれたとは申しながら、余りと云えば予を嘲弄いたす、予を蔑《ないがしろ》にする富彌、免し難い、斬るぞ」
喜「これは又大した御立腹、全体何ういう事
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