、若殿様の御世《およ》になれば私から直々《じき/\》に申上げて、其の方一代ぐらいのお扶持は頂戴さしてやる」
 と和《やわ》らかに言わるゝ程気味が悪うございますから、源兵衞は恐《おそ》る/\首《こうべ》を上げ、
源「へえ、有難う、恐入りますことで、貴方さまのような御重役が、私《わたくし》ごとき町人風情に手を突いてお頼みでございましては、誠に恐入ります、私も実はその、えゝ……始めは驚きましてございますが……実はその、へえ、お立派なお方さまのお頼みでございまして、斑猫てえ虫を捕《と》って水飴の中へ入れてくれろというお頼みでございます、初めは山路というお医者が、何とかいう、えゝ、※[#「譽」の「言」に代えて「石」、第3水準1−89−15]石《よせき》とかいう薬を入れて練ったらと云うので練って見ましたが、これは水飴の中へ入れても好《よ》く分りますので、毒虫を煮てらんびき[#「らんびき」に傍点]にいたして、その毒気《どくき》を水飴の中へ入れたら、柔《やわら》かになって宜かろうというお頼みで、迂濶《うっか》りお目通りをして其の事を伺い、これは意外な事と存じまして、お断りを申上げましたら、其の事が不承
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