いでも宜い」
婆「お金は戴きませんよ、なア忰」
嘉「えゝ、これは戴けません、此間《こねえだ》から一疋で六百ずつの立前《たちめえ》になるんでせえ途方も無《ね》え事だと思ってるくれえで、これが玉虫とか皀角虫《さいかちむし》とかを捕《と》るのなれば大変だが、豆の葉に集《たか》ってゝ誰にでも捕れるものを大金《てえきん》を出して下さるだもの、其様《そん》なに戴いちゃア済みません」
源「これ/\其様《そん》な大きな声を出しちゃアいけない」
嘉「これは何うしても戴けません」
源「そこに種々《いろ/\》理由《わけ》があるんだ、其様《そん》なことを云っては困る、これは取って置いてくれ」
嘉「へえ立前《たちめえ》は戴きます、ま此方《こっち》へお上《あが》んなすって、なに其処《そこ》を締めろぴったり締めて置け、砂が入《へい》っていかねえから……えゝゝ風が入《へい》りますから、ま此方《こっち》へ……何もごぜえませんがお飯《まんま》でも喰《た》べてっておくんなせえまし」
源「お飯は喫《た》べたくないが、礼を受けてくれんと誠に困るがな、受けませんか」
嘉「へえ」
と何う有っても受けない、百姓は堅いから何うしても
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