》いが、道の勝手を知って居《お》るまい、夜道にかゝって、女の一人旅は何《ど》の様《よう》な難儀があろうも知れぬ、さ、これで別れましょう」
竹「お別れ申しても仕方がございませんけれども、貴方の迷いの心を翻《ひるが》えしてさえくだされば、私に於《おい》てはお恨みとも何とも存じませんから」
宗「いや、お前は何ともあるまいが、此方《こちら》に有るのじゃ、私《わし》は還俗《げんぞく》してお前のためには力を添えて、何の様にも仕よう、長旅をして、お前を美作まで送って上げようとは、今迄した修業を水の泡にしてしまうのも皆《みん》なお前のためじゃ、何うぞ私の願《ねがい》を叶《かな》えてください、それとも肯《き》かんければ詮方《せんかた》がない、もう此の上は鬼になって、何の様な事をしても此の念を晴さずには置かん、仕儀によっては手込《てごめ》にもせずばならん」
と飛付きに掛りますから、お竹は慌《あわ》てゝ跡へ飛退《とびさが》って、
竹「迷うたか御出家、寄ると只は置きませんぞ」
と合口をすらりと引抜いて振上げ、けんまくを変えたから、
宗「おまえは私《わし》を斬る気になったのじゃな、最《も》う此の上は可愛さ余
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