して、それならば旦那さま恐入りますが、貴方のお裾《すそ》の方へでも入れて寝かしてくださいませんかと云った」
○「へえー、ふう鐵もっと此方《こっち》へ出ろ、面白い話になって来た、旦那は真面目になってるが、能《よ》く見ると助平そうな顔付だ、目尻が下《さが》ってて、旨く女をごまかしたね、中々油断は出来ねえ、白状おしなさい」
侍「ま、黙ってお聞きなさい、苟《かりそ》めにも男女《なんにょ》七才にして席を同じゅうせずで、一つ寝床へ女と一緒に寝て、他《ひと》に悪い評でも立てられると、修行の身の上なれば甚だ困ると断ると、左様ならば御足《おみあし》でも擦《さす》らして下さいましと云った」
○「へえー、女の方で、えへ/\、矢張《やっぱり》山の中で男珍らしいんで、えへ/\/\成程うん」
侍「どうも様子が訝《おか》しい、変だと思った」
○「なに先で思っていたんでしょう」
侍「それから拙者は此方《こっち》の小さい座敷に寝ていると、改めて又枕元へ来てぴたりと跪《ひざまず》いて」
○「其の女が蹴躓《けつまず》きやアがったんで」
侍「蹴躓いたのではない、丁寧に手を突いて、先生|私《わたくし》は何をお隠し申しましょう、
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