金子を奪《と》ろうとした時の心は実に此の上もないノ重悪人なれども、忽《たちま》ち輪回応報《りんえおうほう》して可愛い我子を殺し、あゝ悪い事をしたと悔悟《かいご》して出家になるも、即ち即心即仏じゃ、えゝ他人を自分の身体と二つあるものと思わずに、欲しい惜しいの念を棄てゝしまえば、争いもなければ憤《おこ》る事もない、自他の別を生ずるによって隔意《かくい》が出来る、隔意のある所から、物の争いが出来るものじゃ、先方《むこう》に金があるから取ってやろうとすると、先方《むこう》では私《わし》の物じゃから遣《や》らん用を勤めたら金を遣るぞ、勤めをして貰うのは当然《あたりまえ》だから、先方《さき》へくれろ、それを此方《こっちゃ》で只取ろうとする、先方《さき》では渡さんとする、是が大きゅうなると戦争《いくさ》じゃ、実に仏も心配なされて西方極楽世界阿弥陀仏を念じ、称名《しょうみょう》して感想を凝《こら》せば、臨終の時に必ず浄土へ往生すと説給《ときたま》えり、南無阿弥陀仏/\」
圓朝が此様《こん》なことを云ってもお賽銭《さいせん》には及びません、悪くすると投げる方があります。段々と有難い事を彼《か》の宗達と
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