て観《み》せます。美作守の御勘定奉行|九津見吉左衞門《くづみきちざえもん》を初め九里平馬《くりへいま》、戸村九右衞門《とむらくえもん》、秋元九兵衞《あきもとくへえ》其の他《ほか》御城下に加賀から九谷焼を開店した九谷正助《くたにしょうすけ》、菊橋九郎左衞門《きくはしくろうざえもん》、年寄役村方で九の字の附いた人を合せて十八人集めまして、結構な御馳走を致し、善い道具ばかり出して、頻《しき》りに自慢を致します事で、実に名器ばかりゆえ、客は頻りに誉めます。此の日道具係の千代は一生懸命に、何卒《どうぞ》無事に役を仕遂《しおお》せますようにと神仏に祈誓《きせい》を致して、皿の毀れんように気を附けましたから、麁相《そそう》もなく、彼《か》の皿だけは下《さが》ってまいります。自分は蔵前の六畳の座敷に居って、其処《そこ》に膳棚道具棚がありますから、口分《くちわけ》をして一生懸命に油汗を流して、心を用い働いて、無事に其の日のお客も済んで、翌日になりますと、作左衞門が、
作「千代」
千「はい」
作「昨日《きのう》は大きに御苦労であった、無事にお客も済んだから、今日は道具を検《あらた》めなければならん」
千「
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