で身い投げておっ死《ち》んでしまおうとか、林の中へ入って首でも縊《くゝ》るべえというような、途方もねえ考《かんげ》えを起して、とんでもねえ間違《まちげえ》が出来るかも知んねえ、追出《おんだ》せなら追出《おんだ》しもするが、ひょっとお前《めえ》らの娘が身い投げても、首を縊っても私《わし》を怨《うら》んではなんねえよ、只《たっ》た今|追出《おんだ》すから…」
母「まア、ちょっくら待てよ」
清「なに……」
母「己を連れてって若に逢わせろよ」
清「逢わねえでも宜《よ》かんべえ」
母「宜《え》いよ、己《おら》ア只《たゞ》追出《おんだ》す心はねえから、彼奴《あいつ》に逢って頭の二つ三つ殴返《はりけえ》して、小鬢《こびん》でもむしゃぐって、云うだけの事を云って出すから、連れてって逢わせろよ」
清「それは宜《よ》くねえ、少《ちっ》せえ子供じゃアねえし、十七八にもなったものゝ横ぞっぽを打殴《ぶんなぐ》ったりしねえで、それより出すは造作もねえ」
母「まア待てよ…打叩《うちたゝ》きは兎も角も、娘《むすめ》は憎くて置かれねえ奴だが、附いて来たお侍《さむれえ》さんに義理があるから、己が会って、云うだけの事を云っ
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