/\来たから、実に魂消たね、飛上ったね、いまだにどう/\胸が鳴ってるだ……見れば大小を差しているようだ、お侍さんだな、どうか一緒に連れて歩いてくだせえ、私も鴻の巣まで参《めえ》るもので」
梅「それは幸いな事で、然《しか》らば御同伴《ごどうはん》を願いたい」
男「えゝ…こゝで飯《まんま》ア喰う訳にはまいりやせん、お飯を喰えって」
梅「いえ、御同道《ごどうどう》をしたいので」
男「アハヽヽヽ一緒に行《い》くという事か、じゃア、御一緒にめえりますべえ……草臥れて歩けねえというのは此の姉《ねえ》さんかね、それは困ったんべえ、江戸者ちゅう者は歩きつけねえから旅へ出ると意気地《いくじ》はねえ、私《わし》も宿屋にいますが、時々客人が肉刺《まめ》エ踏出して、吹売《ふきがら》に糊付板《のりつけいた》を持って来《こ》うてえから、毎《いつ》でも糊板を持って行くだが、足の皮がやっこいだからね、お待ちなせえ、私ア独り歩くと怖えから、提灯を点《つ》けねえで此の通り吊《ぶら》さげているだ。同伴《つれ》が殖えたから点けやすべえ」
梅「お提灯は拙者が持ちましょう」
男「私《わし》ア此処《こゝ》に懐中附木《かいちゅうつけ
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