生懸命に私の腰をトーンと突いて下さいよ」
友「さア」
村「さア是で別れ/\にならないように帯の所へ縛り付けて下さい」
と緋《ひ》の絹縮《きぬちゞみ》の扱帯《しごき》を渡すから帯に巻付けまして、互に顔と顔を見合せると胸が一杯になり、
友「あゝ去年の二月参会の崩れから始めて逢ってお前と斯《こ》う云う訳になろうとは思わなかったなア」
村「私のようなものと死ぬのは外聞がわるかろうけれども、友さん定《さだま》る約束と諦めて、どうぞ死んで彼世《あのよ》とかへ行っても、どうぞ見捨てないで女房《にょうぼ》と思っておくんなさいよ」
友「あいよ/\主人の金を遣《つか》い果たして死ぬのは、十一の時から育てられた旦那様に済まねえけれど、どうか御勘弁なすって下さい、己もお前も親はなし、親族《みより》も少い体で斯うなるのは全く宿世《すぐせ》の約束だなア」
村「あい、さア、友さん早く私を突飛《つきとば》しておくんなさい」
と二人共に掌《て》を合せて南無阿弥陀仏《なむあみだぶつ》/\と唱えながら、友之助がトーンと力に任せてお村の腰を突飛すと、お村はもんどりを打って浪除杭の外へドボーンと飛込んだから、続
前へ
次へ
全321ページ中100ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング