と思って七所借《なゝとこが》りをしても、鉄の草鞋《わらじ》を穿《は》いて歩いても、押詰《おしつま》った晦日前、出来ないのは暮の金だ、おめえ本当に覚悟を極めたら己と一緒に死んでくれないか」
 村「えー本当、どうも嬉しいじゃアないか、私も実は一緒に死にたいと思っても、お前さんに云うのが気の毒で遠慮していたが、お前さんと一緒なら私ゃ本当に死花《しにばな》が咲きます、友さん本当に死んで下さるか」
 友「静かにしねえ、死ぬ/\と云って人に知れるといけないから、斯《こ》う云う事なら金でも借りて来て総花《そうばな》でもして華々しくして死ぬものを、たんとは無いが有りッたけ遣《や》って仕舞おうじゃないか、お前も遣ってお仕舞い」
 村「死ぬには何《なん》にも入らないから笄《かんざし》も半纒《はんてん》も皆《みん》な遣って仕舞います」
 友「それでは其の積りで」
 村「本当かえ、嬉しいねえ」
 と迷《まよい》の道は妙なもので、死ぬのが嬉しくなって、お村は友之助の膝に片手を突いて友之助の顔を見詰めて居りましては又ホロリ/\と泣きます。其の時に廊下でパタ/\と音がするから、人が来たなと思い、それと気を付ける時、
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