の》になるので可愛そうな身の上だが、これも仕様がないが、まアどう云う喧嘩をしたのだか、手紙に死ぬと書いてあったが、死ぬなどゝ云うのは容易な事じゃアないが、一体どう云う訳だえ」
 村「此の間話したが、アノーお客の御舎《ごしゃ》さんと云う人が手を廻して、お月姉さんから色々私の方へ云ってくれたが、お月姉さんが其の事を直《じき》にお母に云って仕舞ったから、お母は何《なん》でもお客に取れと云うけれども、私は厭だから厭だと云ったら怖ろしく腹を立って、私の結いたての頭髪《あたま》を無茶苦茶に打《ぶ》って、其の上こんな傷をつけて、お客を取らなければ女郎に売って仕舞うと云うのだが、随分売り兼《かね》ない気性だから、若《も》し勤めに入れば、もう逢える気遣《きづか》いはなし、義理のわるい借金もあり、私もお前さんと一緒にならなければ外《ほか》の芸者|衆《しゅ》にも外聞がわるいから、寧《いっ》そ死んで仕舞おうと覚悟をしたが、一目逢って死にたいと思うばッかりに忙がしいお前さんにお気の毒をかけましたが、今日は能く来ておくんなさいました、私の死ぬのは私の心がらで仕方がないのだが、私の亡《な》い後《のち》にはお前さんは
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