の御理解でも聾《つんぼ》程も聞かねえ國藏が改心して、これから真人間になって稼ごうと思ったけれども、借金があって真面目になることが出来ねえと思っていると、お前《めえ》さんが金を下すったから、それで借金の目鼻を付け、四ツ目の親分の所へ往って、これから仕事をすると云った処が、親分も大層悦んで仕事をよこしてくれやしたが、先の家じゃア狭くって仕事が出来ねえから、今日此処へ移転《ひっこ》して来て、蕎麦を配るからどうか旦那にお初うを上げたいと思っていたが、丁度いゝ処でのうお浪」
浪「本当ですよ、旦那様にお目に懸ってお礼を申し上げたいと思っても、着て行《ゆ》くものがありませんから損料でも借りて着て行《い》こうと思って」
國「黙ってろ、おい/\お浪、何方《どこ》の蕎麦屋へでも早く往って大蒸籠《おおぜいろ》か何かそう云って来な、駈け出して往って来い、コヽ跣足《はだし》で往け、へい申し旦那、お浪の云う通り損料を借りて紗綾羽二重《さやはぶたえ》を着て往ってもお悦びなさる旦那じゃねえ、損料を着て往けば立派だが、その時限りのことで、家《うち》へ帰《けえ》って来れば直ぐなくなって仕舞うから、それよりゃアその金を
前へ
次へ
全321ページ中67ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング