く辛抱するようになって、私《わっち》が仕事をするようになって、先《せん》の家《うち》では狭いから此処へ越して来たが、家《うち》のお浪はお前さんを有難がって、お目に懸りたいと云っても、貴方の処へは最《も》う上れねえが、幸い今日は店振舞《たなぶるまい》で障子が破れていて仕様がねえから刷毛を借りて来て張る処だ、鳥渡《ちょっと》宅《うち》へ往って蕎麦《そば》のお初《はつ》うを食ってやっておくんなせえ、お浪/\業平橋の旦那にお目に懸ったからお連れ申したよ」
浪「おやまア不思議じゃアないか、此方《こっち》の心が届いて旦那にお目に懸られるのだねえ、さア/\此方《こちら》へ/\」
國「さア此方《こちら》へ上って下せえ」
文「好《い》い家《うち》だの」
國「えゝ先《せん》の家《うち》より広いのは長家を二軒借りたから広くなりやした、なアに家なんざア何《ど》うでもいゝが、私《わっち》も畳の上で死なれるようになったのは旦那のお蔭です、忘れもしねえ九月の四日、私《わっち》が嚊を連れて旦那の処へ強請《ゆす》りに往った処が私《わっち》の襟首《えりっくび》を掴《つか》めえての御意見が身に染《し》みて、お奉行様
前へ
次へ
全321ページ中66ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング