と》で大きにお案じ申しました、あれから直ぐにお帰りでしたか、へー此方《こなた》がお父様《とっさま》でございますか、初めてお目に懸りました、手前は業平橋に居ります浪島文治郎と申す武骨ものでございます、お見知りおかれて以後御別懇に願います」
庄「へー、手前は小野庄左衞門と申す武骨の浪人御別懇に懸《ねが》います、扨《さて》昨夜は娘|町《まち》が計らず御介抱を戴き、殊《こと》にお菓子まで頂戴致し、帰って参ってこれ/\と申しますから、有難く存じ、只今も貴方《あなた》のお噂をして居りました……これ町やお茶を、あイヤお茶は無かったッけ、お湯をあげな、まアこれへお進み下さい」
文「始めてお目に懸って誠に御無礼なことを申して、お気に障るか知れませんが、昨夜お嬢様に段々御様子を伺った処が、御運悪くお屋敷をお出になって御浪人遊ばした処が、御眼病をお煩いのよし、それを嬢様が御心配遊ばして、お感心に寒《かん》三十日の間|跣足《はだし》参りをなさる、手前も五十八歳になる母が一人ございますが、少し風を引いて頭痛がすると云われても、若《も》しものことがありはしないかと思って心配するのは、子の親を思う情合《じょうあ
前へ
次へ
全321ページ中61ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング