珠《しんじゅ》、麝香《じゃこう》、竜脳《りゅうのう》、真砂《しんしゃ》右|四味《しみ》を細末にして、これを蜂蜜《はちみつ》で練って付ける、これが宜しいが、真珠は高金《こうきん》だから僕のような貧乏医者は買って上げる訳にいかん、それに就いて兼《かね》て申上げました此方《こちら》のお娘子《むすめご》がお美しいと云うことを、北割下水《きたわりげすい》の大伴《おおとも》と云う剣客《けんかく》へ話した処が、是非世話をしたいから話しをして呉れと云うから、先日貴方へ申上げた事がありますが、お堅いからお聞済《きゝずみ》がないが、時世で仕方がないから、諦めて貴方が諾《うん》と云えば僕が先方へ参って話をすれば、お目薬料ぐらいは直《じき》に出ますからそうなさいな」
庄「いゝえ、そんな話は止《や》めて呉れ、お前が来るとそんな事ばかり云うが、私《わし》には一人の娘を妾《めかけ》手掛《てかけ》に遣るくらいなら裏家住居はしません、そんな話をされると耳が汚《けが》れるから止して呉れ」
秋「貴君《あなた》はお堅いがね小野|氏《うじ》、僕もいろ/\丹誠して癒らんければ名にも係《かゝわ》るから、お厭《いや》でもお娘子を
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