連れかなんだ」
商「ヒエイ」
と頭は上げましたが舌が少しも廻りません。
商「エーイ主人がね此方《こっひ》へ除《よ》えようとすう、て前《もえ》も此方《ほっひ》へ除《お》けようとする時に転《ほろ》がりまして、主人の頭と私《うわし》の頭と打《ぼつ》かりました処が、石頭《ゆいあさま》で痛《いさ》かった事、アハア冷《しべ》てえや」
士「こんな奴は性《しょう》のつくように打切《ぶったぎ》った方が宜しい、雪へ紅葉《もみじ》を散してやりましょう」
士「それが宜しい、遣って仕舞いましょう」
と云う声を聞いて両人《ふたり》とも真青になって、雪の中へ頭を摺り付け、
商「何卒《どうぞ》御勘弁なすって下さいまし/\」
士「勘弁はならん、切って仕舞う」
と云うのを文治が塀のところで見て居りましたが、
文「森松悪い奴だのう」
森「何《なん》です、雪の中へ紅葉とは何の事です」
文「彼《か》の二人を切ると云うから己《おれ》が鳥渡《ちょっと》詫びてやろう」
森「お止しなさい/\」
文「どうも見れば捨置く訳にはいかんから」
と織色《おりいろ》の頭巾《ずきん》を猶《な》お深く被《かぶ》って目ばか
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