ますよ」
 村「若旦那お休みなさいよう」
 蟠「そんなことを云って、まア鬼のいない中《うち》の洗濯じゃアないか……なア安兵衞、兄貴は分らぬてえものだ、此の[#「此の」は底本では「此《この》の」と「の」が重複]どうも脇差を弟に内証《ないしょう》で時々ズーッと鞘を払い、打粉を振って磨き、又納め、袋へ入れて楽しんでいるからひどい、今日は留守だから引摺り出したが、私《わし》に見せぬで隠して居《お》るのはひどい」
 安「何時《いつ》の間にお手に入れたか、これは大先生《おおせんせい》より貴方のお持ち遊ばした方が宜しい」
 蟠「兄貴は分らぬ、隠して置くはどうも訝《おか》しい、それに何《な》ぜ此の位の良い脇差に…小柄がないね」
 安「これは何《いず》れ取りあわせて拵《こしら》えるのでしょう」
 村「早くお休みなさいよ、お願いでございますよ、お母《ふくろ》も眠がって居りますから旦那」
 と云うのが庭へ響きます女の声、はア此処《こゝ》にいるのはお村|母子《おやこ》だが、此奴《こいつ》を逃してはならぬと藤四郎吉光の鞘を払って物をも云わずつか/\と来て、誰《たれ》かと眼を着けるとお村ですから「友之助ならば斯《
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