う》がどんな御理解を仰しゃろうと、箒《ほうき》じりで破綻《ひゞだけ》のいるほど打《ぶ》たれても恐れる人間じゃアねえが、お前《めえ》さんの拳骨で親に代って打《う》つと云う真実な意見の中《うち》に、手前《てめえ》は虫よりも悪い奴だ、又堅気の下駄屋で稼いでいて足りねえと云えば米の一俵ぐれえは恵んでやると云う言葉が嘘で云えねえ言葉だ、成程そう云われて見れば虫より悪い事をしやした、旦那え、実ア私《わっち》ア寒さの取付《とっつ》きで困るから嚊をだしに二三両強請ろうと思って来たんだが、お前《めえ》さんの拳骨で打たれた時は身体が痺れて口も何も利けなくなったが、妙な所を打つんだねえ、どうも変に痛いねえ、旦那え、屹度これから改心して國藏が畳の上で死なれるようになった時にゃア旦那へ意趣返しのしようはねえが、私《わっち》が改心した上で鼻の曲った鮭《しゃけ》でも持って来たらば、お前《めえ》さんも些《ちっ》とア胆魂《きもったま》が痛かろうと思うが、其の時は何《なん》と仰しゃいますえ」
 文「これは面白い事を云う、其の時は無闇に人を打擲して済むものでないから、文治が土間へ手を付いて重々悪かったと云って屹度謝ろうが、
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