「お薬品は」
忠「薬はウーン……ギュウ/\牛胆……それからカシワコではない柏子仁、それからあゝアマ甘草」
庄「へー甘草」
忠「それからえー羚羊角、人参、細辛、右七味|丸《がん》じまして茶で服薬すれば一週《ひとまわ》りも服《の》むと全快いたします」
庄「有難いことで、それを戴きたいもので」
忠「家伝でございますから上げましょう」
ま「誠に有難うございます、お父《とっ》さまのお目の治る吉瑞《きつずい》でございましょう、秋田という医者も良くないようでございます」
忠「彼《あれ》は良くございません、それに就いて鴨川壽仙という医学ではない医者がございますね」
庄「何処《どこ》に居ります」
忠「京の鴨川《かもがわ》から来た人で、只今早稲田に居ります、早稲田の高田の馬場の下辺りで施しに針を打ちます、鍼治《しんじ》の名人で、一本の針で躄《いざり》の腰が立ったり内障《そこひ》の目が開きます」
庄「成程、針医の壽仙というのは名高いえらい人で、なか/\頼みましても打ってくれますまい」
忠「施しにしてくれます、医者も目が悪いと其処《そこ》へ行《ゆ》きます…二七あゝ今日は丁度宜しい、今日|
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