いさつ》は出来ません……置いては悪いと云う、紀伊國屋が来ればと行《ゆ》く……成程これは悪い、あッと切れて居《お》ることを知りませんでした、これはどうも大ごと二十五|目《もく》と云う仕事、これは弱りましたな……斯《こ》う遣《や》ると向うへ登ると、えゝ紀伊國と斯うやる、紀伊國屋と突くと向うが紀伊國と跳上《はねあ》げられる、弱るね、紀伊國屋と斯う突くと向うが紀伊國とやる」
友「はゝゝゝどうも紀伊國屋|尽《づく》しの碁は初めて見ました」
蟠「紀伊國屋は碁は好《すき》だそうだな」
友「へえ私《わたくし》は碁で十六|度《たび》失錯《しくじり》ました」
蟠「大層失錯りましたね」
友「御膳より好で、目の先へ斯う始終碁が並んでいる様で、商《あきない》の邪魔になりますからピッタリ止《や》めました」
蟠「どうだ、阿部は下手の横好きで舎弟に七|目《もく》負けたが、どうだ阿部と一石《いっせき》やりなさい」
蟠作「紀伊國屋遣りなさい、自分の身代《しんだい》になれば碁に勝っても宜《い》いじゃアないか、よう遣りなさい」
友「じゃアお相手致しましょうか」
と素《もと》より好きだから紀伊國屋は心嬉しく、
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