に包み、大伴蟠龍軒の名前を聞いて居《お》るから、本所割下水へ行《ゆ》くと、結構な誂《あつら》え物をした上に始めての交際《つきあい》だと云うので、多分の目録をくれ、馳走をして帰しました。大分《だいぶ》調子が好《よ》いから友之助はちょい/\行《ゆ》くと、帰りに夜《よ》に入《い》った時は、大儀だろう駕籠《かご》に乗って帰るが宜《よ》いと云って、駕籠へ乗せて帰す。友之助は結構な出入先が出来たと喜んで足を近く行って見ると、何時《いつ》も能く来たと云って大伴蟠龍軒も蟠作《ばんさく》も兄弟揃って友之助をヤレコレと云う。友之助は一体|善《よ》い人でございますから、二なき出入が出来たと心得て、屡《しば/\》参ります。其の中《うち》四月十一日の丁度只今なれば午後二時少々廻った時分で、日長《ひなが》の折から門弟衆は遊びに出て仕舞って、お中口《なかぐち》はひっそりと致して居ります。
友「お頼み申します/\/\何方様《どなたさま》も入っしゃいませんか、御免を蒙《こうむ》ります」
と次の間へ荷を置きまして、
友「御免下さい」
蟠龍軒「誰《たれ》だ」
友「へー紀伊國屋で」
蟠「能く来た、お前が三日も来ぬ
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