を捨てゝの御意見|何《なん》とも申そう様ござらぬ、此の後《ご》は慎みますから何卒《どうぞ》御勘弁遊ばして召上って下さいまし、三日も召上らんから大分《だいぶ》お窶《やつ》れも見えまして誠に心配致します、文治郎手づから茶椀蒸を拵え、御飯も自分で炊きましたから、何卒召上って下さいまし、お母さま、これからは決してお側を離れません、何卒御勘弁を」
 と文治郎涙を浮べ茶椀蒸の蓋《ふた》を取って恐る/\母の前へ窃《そ》っと差出しました。
 母「喰《た》べんと云うのに何故面前へ膳を突附《つきつ》けたのじゃ、手前は母へ逆らうか、喰べんと云ったら喰べやアしません、其方《そっち》へ持って行《ゆ》け」
 と云いながらポーンと膳を片手で突きましたから、膳は転覆《ひっくりかえ》る、茶椀蒸は溢《こぼ》れる。
 文「これ/\森松や雑巾《ぞうきん》を持ってこい」
 森「へえこれは大変々々、お母さん堪忍して食っておくんなせい、旦那がお前さんに喰《た》べさせていと云って拵えたのだ、食わなければ食わないで宜しいじゃアねえか、私《わっち》が食いやす、斯《こ》うやって旦那が詫るのだから好加減《いゝかげん》に勘忍しておくんねえ、親
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