のを見て居《お》るのが辛いから食《しょく》を止《とゞ》めて死ぬのじゃによって、仮令《たとえ》手を下さずとも其方《そなた》が親を乾《ほ》し殺すも同じじゃによって左様心得ろ」
文「へえ、それは重々恐れ入りました、お母様《っかさま》真平《まっぴら》御免遊ばして下さいまし、是れまで余儀ない人に頼まれ、喧嘩の中へ入りましたのは宜しくないとは心得ながら、止《や》むを得ず人の為に身を擲《なげう》って事を致しましたことが再度ございましたが、お母様の只今の御一言で文治郎実に何《なん》ともかともお詫の致し様がございません、只今のお小言に懲りまして決して他《た》へ出ません、お母様のお側を離れません、喧嘩のけの字も申しませんゆえ何卒《どうぞ》お許し遊ばして、御飯《ごぜん》を喰《あが》って下さいまし、手を下さずとも親を乾し殺すも同様であるとの御一言は、文治郎身を斬られるより辛《つろ》うございます」
母「喰《た》べんと云ったら喰べん、文五右衞門《ぶんごえもん》殿の亡い後《のち》は私《わし》が親父様《おとっさま》の代りでございます、武士に二言はない、決して勧めるときかんぞ」
文「へえ/\/\/\」
森「お母
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