《わし》の顔に障るからどうか私《わし》に面じて」
さ「出来ませんよ、お前さんなんざア掛合をしらねえ小僧子《こぞっこ》だア、青二才《あおにせい》だ、もっと年を取った者をお遣《よこ》し、何《なん》だ青二才の癖に、何だ私の目から見りゃアお前《めえ》なんざア雛鳥《ひよっこ》だア、卵の殻が尻《けつ》に付いてらア、直ぐに帰《けえ》してくんな、帰《けえ》しようが遅いと了簡があるよ、親に無沙汰で何故娘を一晩でも泊めた、その廉《かど》で勾引《かどわかし》にするからそう思え」
森「旦那黙っておいでなせえ、此の婆《ばゞあ》こん畜生、今聞いていりゃア勾引だ、誰の事を勾引と云やアがるんだ、娘の命を助けて話を付けてやるに勾引たア何《なん》だ」
さ「ぐず/\云わずに黙って引込《ひっこ》んでいろ、兵六玉屁子助《ひょうろくだまへごすけ》め」
森「おや此の畜生屁子助たアなんだ」
文「これさ黙っていろ、それでは何《ど》うあっても聞入れんか」
さ「肯《き》かれなけりゃアどうするのだ」
文「肯かれんければ斯《こ》うする」
と云いながら、婆《ばゞあ》の胸ぐらを取ってギューッと締めましたから、
婆「あ痛《い》た/\
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