、実《じつ》は御存《ごぞん》じの通《とほ》り御大喪《ごたいさう》にて、当地《たうち》は普通の家《いへ》にても参列者《さんれつしや》のために塞《ふさ》がり、弊屋《へいをく》も宿所《しゆくしよ》に充《あ》てられ、殊《こと》に夜《よる》のもの等《とう》も之《こ》れなく、甚《はなは》だ困り居《を》り候折《さふらふをり》からゆゑ、誠に残念には御座候得共《ござさふらえども》、右様《みぎやう》の次第《しだい》に付《つ》き悪《あし》からず御推察《ごすゐさつ》なし被下度候《くだされたくさふらふ》、匆々《さう/\》」といふ返事が参《まゐ》りました。私《わたくし》も少し驚《おどろ》きまして、此分《このぶん》では迚《とて》も往《ゆ》く事《こと》は出来《でき》まいと困りましたから、私《わたし》が日頃《ひごろ》御贔屓《ごひいき》に預《あづ》かりまする貴顕《きけん》のお方《かた》の処《ところ》へ参《まゐ》りまして、右《みぎ》のお話をいたしますると、そんならば幸《さいはひ》私《わたくし》も往《ゆ》くから、連《つ》れて往《い》つて遣《や》ると仰《おつ》しやいました。誠に有難《ありがた》い事で、私《わたくし》もホツと息《
前へ
次へ
全19ページ中4ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング